1)大学選択 (1)

アメリカの建築大学院は、学部で建築を専攻していない人でも入学することができる。
むしろ他分野のことを勉強したい人を受け入れる体制が整っていると、聞いたことがありました。「建築」って一言にくくっても人の生活・社会・文化等に常にかかわっていくものだから多様なことを身に着けているのは大切なことなんだとその人は言っていた。
実際はどうかというのは、さておき、制度的に建築初心者コースがほとんどのアメリカの大学院で設置されている。 それぞれの大学によって学部名やコース名が微妙に変わりますが、私の今通っている大学も建築学部の中には大きく分けて、The Master of Architecture (MArch), The Master of Science in Architecture Studies (SMArchS)
という2つのコースがあります。(後は、学部:BSAD Architectural Design Discipline Stream Requirementsと博士 PhD がある。)

この前者のMArch もMArch1 とMArch2 というのがあって。1は初心者向け(バックグラウンドが建築ではなかった人)と2は学部が建築だった人に分かれます。1の場合は大体3年から3年半、2の場合は2年から2年半になります。

この1と2は結構いい加減且つ制度的に決まっています。学歴です。卒業学部(専攻)に”建築”と書いてないとまず2にはいけません。しかもアメリカの場合は主専攻が”建築”でないと学部4年間建築の勉強をしていも1からやり直しです。 これが海外からの受験になるともっと適当で”建築”って書いてないと確実に1からです。なので最近流行の”空間〜〜”とか”環境〜〜”とか”情報〜〜”という学部名だと確実に1から再スタートとなります。
私も微妙な名前の学部と大学院だったので、認めてもらえず1からのスタートとなりました。この場合どんなに職務経験があっても制度上”建築学部”出身でないことから初心者コースに入れられます。 

逆もあります。2(経験者コース)からはじめられる学歴でも作品集をみて1に入れられる人もいます。私のクラスにも1名2のコースで受験したのに1に落とされた人がいます。でも入れたんだからいいよね。東大の建築学部出身の人も1のコースに入れられていました。上に行くことは学歴上できないのに、実力上落とされることがあるのです。逆に学歴関係なく、実力があれば上に上げてあげてもいいのにねーとも思います。


最初に いい加減且つ制度的 といったのは、一度落ちたのに受かるやつがいるのです。私のクラスは2名。 1名は、一度落ちたのに怒りの電話をしました。たまたまその子のいた事務所が有名な建築事務所で、当時の学部長の先生に当たる人でもあったので、もう一度書類を見てほしいと電話で訴え、建築事務所の建築家も直接学部長に連絡して合格となりました。FAXできたそうです。もう一人は、waitinglistだったのが繰り上げになりました。 これは、ウチの大学の先生のお気に入りの学生で前者の学生が入れるんだったら”私の学生もいれてよ”ということで入学になりました。なので、私のクラスは予外の3名がいます。

ね、いい加減で制度的なのです。